Sunday, November 6, 2016

水戸協・矢野流 救急外来での抗菌薬治療 minimum essentials

私は初期研修医1年目のときに水戸協同病院で勤務していたのですが、そこでたまたま「感染症はじめの一歩」などの著作で有名な矢野晴美先生のご指導を頂き、非専門医としてある程度の自信を持って感染症治療は行えるようになりました。

その後、大学病院に戻り、同期の医師から感染症治療、とりわけ救急外来で入院が決まった患者さんの静注抗菌薬の選択について質問されることが多くなり、せっかくなので最低限これだけ知っていれば救急外来での抗菌薬投与で大きく外すことはないという知識をまとめてみようと思い立ちました。

もちろん詳しくは矢野晴美先生の「感染症はじめの一歩」や青木眞先生の「レジデントのための感染症診療マニュアル」などを参照してほしいのですが、忙しい救急外来の場で本当に必要最低限の知識が欲しい方向けにごくごく簡単にまとめてみようと思います。

なお、情報の正確さには気をつけて書いたつもりではありますが、元々内輪の勉強会で使う目的に作成された資料の一部であり、その使用により何らかの不利益が生じても一切の責任は持てませんので、自己責任でご利用下さい。


さて、救急外来という場においては基本的に「この菌をカバーしなければ患者さんが死んでしまうかもしれない」菌を empirical に治療できる抗菌薬を選べば良く、ポイントとなる菌は驚くほど少ないので覚えておくべき抗菌薬の種類も必然的に少なくなります。

まずはポイントになる菌の種類を覚えましょう。必要最低限覚えておくべき菌は次の5種類です。

① 皮膚の常在菌(主にグラム陽性球菌)
② 腸内細菌(E. coli, Klebsiella, Proteus)
③ 嫌気性菌
④ 緑膿菌
⑤ MRSA

これら5種の菌をメルクマールにして投与すべき抗菌薬が大きく変わるのでしっかりと覚えておきましょう。

なお投与量については腎機能調節が必要なものがほとんどなのでサンフォード感染症治療ガイドを参考にしてください。英語が読める方なら  iPhone アプリ版 も便利です。



【どういう感染で想定するか】
糖尿病などのリスクのない蜂窩織炎など
【使用する抗菌薬】
セファゾリン(商品名:セフマゾンなど)
【投与量】
まずは 1g 投与、その後は腎機能で調節。

特に既往のない患者さんの皮膚の常在菌はほとんどが黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などのグラム陽性球菌であり、セファゾリンでカバーできます。術直前に SSI 予防にセファゾリンを投与しているのもこのためです。

ただし、救急外来でセファゾリンを使う機会は余り多くありません。というのも入院を要するような蜂窩織炎を呈するのは糖尿病患者などの免疫能が低下している人であることが多く、後述しますがそのような場合は基本的に ⑤ MRSA のカバーが必須でバンコマイシンを使わなければいけないからです。

【どういう感染で想定するか】
リスクのない若年女性の腎盂腎炎など
【使用する抗菌薬】
セフトリアキソン(商品名:ロセフィンなど)
【投与量】
肝代謝されるので腎機能調節不要。基本的に 1g を24時間ごと投与。

特にリスクのない若年女性の腎盂腎炎など、腸内細菌の感染が考えられる場合はセフトリアキソンでカバーができます。感受性によってはセファゾリンも使用可能ですが E. coli などで耐性があることが多いのでまずはセフトリアキソンを投与しておいたほうが無難です。女性は尿道と肛門が近いので肛門周囲からの腸内細菌が逆行感染の形で腎臓まで至るんでしたよね。

さて、よく勘違いしている学生さんや初期研修医の先生がいますが、腸内細菌は確かに腹腔内にいる細菌ではあるものの腹腔内で一番多い細菌ではありません。腹腔内で圧倒的多数を占めているのは Bacteroides と呼ばれる嫌気性菌で、実はこれらはセフトリアキソンは全く効きません。したがって嫌気性菌は腸内細菌から独立させて考えないといけません。

【どういう感染で想定するか】
虫垂炎や回腸末端炎など(あるいは誤嚥性肺炎)
【使用する抗菌薬】
アンピシリン・スルバクタム(商品名:スルバシリンなど)かセフメタゾール
【投与量】
アンピシリン・スルバクタムはまず 3g を投与、その後は腎機能で調節。
セフメタゾールはまず 1g を投与、その後は腎機能で調節だが Sanford には未記載。投与量については国立国際医療研究センター感染症科の大曲貴夫医師の手引を参照のこと。

さて、腸内細菌も嫌気性菌も同じ腹腔内に多い細菌ですが、腸内細菌が基本的にセフトリアキソンでカバーできるのに対して嫌気性菌では完全耐性で全く効果がありません。詳しくは成書を読んでいただきたいのですが、嫌気性菌はβラクタマーゼという酵素を産生し、βラクタム系抗菌薬を壊してしまうからです。

腎盂腎炎くらいなら腸内細菌のみのカバーで良いことが大半ですが、虫垂炎や回腸末端炎などの腹腔内の「ガッツリ」とした感染では圧倒的多数を占める嫌気性菌が起因菌であることがほとんどです。したがって、βラクタマーゼ阻害薬であるスルバクタムが配合されているアンピシリン・スルバクタム(商品名:スルバシリンなど)或いはセフメタゾールを使用しなければいけません。

腹腔内手術の前にこれらの抗菌薬を投与するのは先の SSI に加えて腹腔内の嫌気性菌もカバーするためですね。

さて、嫌気性菌を想定する感染としてカッコ付けで誤嚥性肺炎が書き加えてあります。これは、確かに唾液中の嫌気性菌(この場合は Bacteroides というよりも Peptostretococcu という別の嫌気性菌です)や腹腔内の嫌気性菌が気道に入り込んで感染をきたしていることが「ほとんど」なのですが割合的には少ないものの例外があるためです。

ちょっと考えてみましょう。そもそも誤嚥性肺炎をきたす時点で嚥下機能が低下している高齢者がほとんどです。すると高齢者はそもそも免疫能が低下している、あるいは施設入所中の方が多いわけですから緑膿菌のカバーは必須となります。従って、誤嚥性肺炎に対して empirical にアンピシリン・スルバクタムを使ってしまうと緑膿菌のカバーができていないという点で問題になるわけです。

【どういう感染で想定するか】
施設入所者や高齢者、ステロイド使用者など免疫能が低下している人の感染
【使用する抗菌薬】
ピペラシリン・タゾバクタム(商品名:ゾシン)
【投与量】
まず 4.5g を投与、その後は腎機能で調節。

こう言い切ってしまうと語弊があるのですが、特に施設入所中の高齢者の感染では、誤嚥性肺炎であろうと普通の肺炎であろうと腎盂腎炎であろうと虫垂炎であろうと、基本的にはピペラシリン・タゾバクタム一択です。

どうしてか。それは高齢者の感染の「ほとんど」で起因菌ではないものの「まれ」に緑膿菌感染をきたしている例があり、ただでさえ免疫能が落ちているのにさらにはカバーまで外れているとなると救命が極めて困難になるため、培養結果が出るまでは empirical にカバーしておいたほうが無難だからです。

もちろん広域抗菌薬であるため感受性が判明し次第 de-escalation (より狭い範囲に効く抗菌薬に変えること)が必須です。漫然とピペラシリン・タゾバクタムを続けていると、Clostridium difficile 腸炎をきたし、誤嚥性肺炎の治療は終わったけれどそれが治るまで施設が受け入れてくれないので退院が1週間延長したなどの悲劇を生むことになります。

【どういう感染で想定するか】
免疫能低下者(特に糖尿病患者)の皮膚・骨髄感染、心内膜炎疑いなど
【使用する抗菌薬】
バンコマイシン
【投与量】
腎機能正常ならまず 1g を12時間ごと、3回程度投与して4回目投与1時間前にトラフ値を測定。
トラフ値から濃度予測をし投与量を決定する(薬剤師に依頼しましょう)
腎機能が低下している場合は 0.5g から始めるのが無難。

さて、最後に MRSA です。MRSA は上に挙げた抗菌薬の全てが無効です。これはそもそもβラクタム系抗菌薬と呼ばれる前述の抗菌薬は細菌の細胞壁にあるタンパク質に作用して効果を発揮しているのですが、MRSA ではそのタンパク質の構造が変異しβラクタム系抗菌薬が結合できないからです。

それに対しての切り札はバンコマイシンで、これはβラクタム系抗菌薬とは異なる細胞壁の一部に結合し効力を発揮します。

先に説明したとおり、ほとんどの皮膚常在菌はセファゾリンでカバーできるのですが、糖尿病患者などの免疫能低下者や抗菌薬が頻用されている施設入所者などでは MRSA 感染をきたしている可能性が高いため感受性が判明するまでカバーは必須です。

また、心内膜炎が疑われる症例でもバンコマイシンの投与が必須です。MRSA による心内膜炎は比較的少ないのですが、万一真の MRSA 心内膜炎でカバーのできていない抗菌薬で数日間治療されていたとなると救命は極めて困難となるため必ずカバーが必要です。

なお、バンコマイシンは生理食塩水に溶かした状態で投与速度が 100 ml/h を超えると Red Person Syndrome という顔面や胸部が発赤する症候群を呈することがあるので、必ずそれよりも遅い速度で投与するよう指示することが必要となります。

さて、基本的にこれだけで救急外来入院患者の初療抗菌薬は大半カバーできると思うのですが、最後に余力のある方はそれらに⑥腸球菌(Enterococcus faecalis/ faecium)⑦ ESBL 産生菌 のふたつを加えて覚えて頂ければ、さらに力がつくと思います。

Friday, July 1, 2016

これでお別れだね、STAP 細胞。ハーバード大学より愛を込めて。

2014年に小保方氏が発表、そのあまりの革新性に世間で大きな話題になった「STAP 細胞」ですが、その後、数々の論文不正が明らかになり数多くの研究機関での再現実験も全て失敗し(少なくとも我々のような科学をかじっている者にとっては)完全に終わった話となったことは記憶に新しいと思います。

しかし、その後も「STAP 細胞は実在しており『巨大な陰謀』によりその存在を闇に葬り去られた」と主張する人は常にある一定数は残り、最近また Business Journal でもジャーナリスト(と呼んでいいのか私には分かりませんが)上田眞実氏が「STAP 細胞は存在しており、ハーバード大学が利権を独占しようとしている」といった記事を公開して未だ大きな話題となっています。

その一方で、2015年2月の時点でハーバード大学が "The Final Word on STAP" (STAP 細胞はもう終わった話)と公式リリースを出していることは全く知られていません。


以下、公式リリースを日本語に訳してみました。

「STAP 細胞はもう終わった話」 
―数多くの研究者が STAP 現象を再現しようとしたが失敗、解析しても有意な遺伝子変化は認められなかった。 
2014年初頭、STAP なる現象に関する2篇の論文が Nature に掲載されたのを期にかつてないほどの大論争が勃発した。なんと、何の変哲もないただの細胞がすみやかに、しかも効率的に多能性幹細胞になり、人体のありとあらゆる組織に分化するというのだ。 
「細胞を弱酸性環境に曝露させるだけで多能性幹細胞になる」事実にしてはうまくいきすぎていると皆思ったものだ。そして実際にそれは事実ではなかったのだ。 
論文が発表されるやいなや世界中の研究者から疑問の声が聞かれるようになった。何度実験しても論文と同じ結果が得られなかったのだ。その後、Nature が中心となって小保方氏の発表した論文を調査したところ、数々の問題点とデータ偽装が明らかになり、論文は撤回されたのだった。 
論文が撤回された後も、小保方氏は「STAP 現象の核となる理論は間違っておらず、修正したプロトコルを用いれば正しい結果が得られる」と主張し続けた。そこで、ハーバード大学医学部とボストン小児病院が中心となり、最初に STAP 細胞を作成したと言われる日本の理化学研究所を含め7つの研究所が国の垣根を超えて団結し STAP 現象の再現に挑んだのだった。 
国際研究団は元々の STAP 現象プロトコルに加え、新たに作り上げたバイオインフォマティクス・アルゴリズムを用いて既に公開されていたゲノム配列を解析することにした。 
最終的に、国際研究団の再現実験をもってしても STAP 元論文に書かれていた現象を確認することはできなかった。この結果は、どのように細胞が多能性幹細胞になったかを判定する統一基準と共に Nature に掲載される予定である。 
「科学というのは目の前にあるデータを再現し、それを更に発展させることなしには成立しえません」ハーバード大学医学部生化学・分子薬理学の教授、ジョージ・Q・デイリー氏は語る。氏は STAP 論争に関する論文の共著者でもある。「そのような科学の原則を堅持することは決して簡単ではありません。我々にはかつてないほど厳格な研究倫理基準が求められていますが、その一方でこの一層競争が激しくなっている環境の中で何とか先んじて論文を投稿しようとする思いがあるのも事実です」 
さて、国際研究団がなんとかして再現しようとしていたものの中に、Oct4 と呼ばれる遺伝子の発現があった。Oct4 はほぼ全ての人工多能性幹細胞で発現しており、Oct4 が多能性獲得に必須であるというのが多くの研究者の見解となっていた。その Oct4 を確認するのに用いられるのが緑色蛍光タンパクで、Oct4 が発現していると緑色の光が観察されるわけだ。STAP 元論文でも緑色光の確認を持って多能性幹細胞が完成したと考えたようだ。 
しかしながら、デイリー研究室の研究員であるアレハンドロ・デ・ロサンジェレス氏が論文通りの方法で再現実験をしたところ、その緑色の光は Oct4 によるものではなく「自家蛍光」と呼ばれる単にレーザー光があったたことで細胞中の分子が光る現象であることが分かった。つまり、STAP 元論文では本当に Oct4 が存在している際に出る光と「自家蛍光」を区別するためのフィルターを用いていなかったのだ。実際、自家蛍光を除外するフィルターを用いて細胞を STAP 元論文通り弱酸性環境に曝露させても Oct4 の発現を示す緑色の光は確認されなかった。 
Oct4 の発現以外に多能性幹細胞の特徴してあげられるのはテラトーマの形成である。テラトーマとは良性腫瘍の一種で、幹細胞が様々な組織に分化する過程で形成される。元論文では STAP 細胞なるものからテラトーマが形成されたと主張されているが、幾度と無く行われた再現実験では小保方氏らがテラトーマと見間違えたと考えられる細胞投与の副作用による変化が認められただけで、肝心のテラトーマは一度も確認されなかった。 
さて、このように STAP 元論文を解析するにあたって、ハーバード大学医学部・臨床情報学准教授のピーター・パーク氏は元論文からオリジナルデータを抽出して解析するアルゴリズムを作り上げた。氏はこれを「バイオインフォマティクス犯罪捜査」と呼んでいる。 
発表当初、STAP 元論文を解析するのは容易ではなかった。というのも、論文内で情報が完全に開示されておらず分類もきちんとなされていなかったからだ。そこからパーク氏のチームが情報をかき集めたところ、1ヶ月もしない内に STAP 元論文の問題点が浮かび上がってきた。 
パーク研究室に所属しているポスドクであるフランチェスコ・フェラーリは同僚と共に STAP 元論文に記載されていた遺伝子発現情報から STAP 細胞とされる細胞の遺伝的変異を特定し、小保方氏らが STAP 細胞といっていたもののほとんどで材料となっていた元の細胞と遺伝子情報が全く異なっていたことが分かったのだった。中には元の細胞と STAP 細胞で性染色体が異なるものさえあった。更には、STAP 細胞から分化した細胞は ES 細胞と胎盤由来幹細胞双方の特徴をもつとした論文の解析では、STAP 細胞からの生成物とされていたものがなんと小保方氏の研究室にあった細胞株を混ぜただけであることが判明したのだった。 
「Nature などの科学ジャーナルは最低限の話として適切な注釈をつけること、論文内のデータを速やかに公表すること、これらを論文投稿者に遵守させるべきです」とパーク氏は語る。「それだけで今回の STAP 騒動のようなことが二度と起こらないとは言いませんが、安全策にはなりますしそれくらいすぐにできるはずです」 
氏はこれら一連の STAP 論文の検証において遺伝子情報解析がいかに重要であったかを強調し、こうも続けた。「もし小保方氏や共同研究者、さらには Nature の査読者が遺伝子情報解析におけるきちんとした知識を持っていたら、実験結果をみて STAP 細胞仮説が誤りであったともっと早く気付けたはずです。そうすれば世界中の研究者が再現実験にあんな膨大な時間を割かなくてもよかったのに」 
最後にパーク氏と共にハワード・ヒューズ医学研究所で STAP 論文の検証にあたったデイリー氏はこう語った。「結局のところ、我々は科学におけるチェック機構をもっと厳しくしてあるべき姿を保つしか無いのです。論文をたくさん書いてたくさん投稿してたくさん研究費をもらってとやっている間に、どれだけ心ある研究者でもいとも容易く認知的バイアスに陥ってしまうわけですからね」

いかがだったでしょうか。これを読んだ上でまだ STAP 細胞があると考えるのはなかなか難しいのではないでしょうか。上田眞実氏は熱心にハーバード大学は STAP 細胞研究の成果を小保方氏から奪おうとしているなどと主張していますが、それとは裏腹にとっくの昔にハーバード大学は実に冷酷に STAP 細胞との決別を終えていたのでした(ところで論文も英語も読めない科学ジャーナリストは一体何を報道するのでしょうね。噂でしょうか)

我々医療者や科学者から見ると完全に「終わっている」STAP 細胞がどうして未だ一定の人々から期待を持たれているのか非常に興味深い現象ではありますが、きっと「信仰」の領域に入っているのでしょうからそちらはご専門の方にお任せします。

かくして科学としては死んだ STAP 細胞仮説は、心の拠り所 STAP 教として今再び日ノ本に蘇り、民々に希望の光を灯し続けるのでした…。

「STAP 細胞は、皆の心のなかに、ありまぁ〜す!!」

Monday, December 1, 2014

東大・京大で一番読まれている本「思考の整理学」を Evernote で実践する!!

外山滋比古「思考の整理学」
ちくま文庫

皆さんは「思考の整理学」という本をご存知でしょうか。

日本では毎年新たに7万を超える数の本が出版されていますが、そんな中この「思考の整理学」は1987年の出版以来毎年のように東大・京大で売り上げ数トップを誇る、押しも押されぬ大ベストセラーです。

もっと独創的なアイディアを思いつきたい、もっとコンスタントに成果を出し続けたい、起業家や学者だけに限らず誰もが一度はこのように願ったことがあるでしょう。そこで大抵の人は自己啓発本やセミナーに頼ってみるのですが、結局何も生まれず後に残るは本の山やセミナーの領収書だけ、ということも少なくありません。

しかしこれは当然のことで、素晴らしいアイディアというものはある日突然無から生じるのではなく、素晴らしい香りのヴィンテージ・ワインのように、温度や湿度の整った適切な環境で寝かせて初めて得られるものだからです。つまり「素晴らしいアイディアは日々準備をしてきたものにしか訪れない」のです。

「思考の整理学」ではその素晴らしいアイディアを閃くための準備方法を極めて具体的に紹介しています。簡単に言うと次のような手順になります。

  1. 日々の「閃き」をカードに記録していき
  2. ある程度溜まってきたらそのカードをジャンル毎に分類
  3. さらに溜まってきたらジャンル毎にまとめたカードから重要だと思う部分だけをまとめたノートを作成

このようにしてできたノートを時折眺めることで、能動的にセレンディピティ(閃く能力)を鍛えることができるという、夢の様な、しかし最も正攻法かつ効率的な訓練法が思考の整理学なのです。

しかし、この情報にあふれた現代社会において、思考の整理学に書かれている通り、カードに記録して、そのカードをジャンルごとに分類して…とやっているといくら時間があっても足りませんよね。

そこで、今日は皆さんご存知のクラウドサービス Evernote を使って思考の整理学を簡単に実践する方法をご紹介したいと思います!!

Monday, November 10, 2014

医学生が考える医療シリーズ第2回「近藤誠先生はただの詐欺師に成り下がってしまった」

元慶應大学医学部講師で「患者よ、がんと闘うな」などの著書で有名な放射線科医師である近藤誠先生が、先日新刊「がんより怖いがん治療」を出版し、大きな物議を醸しています。

近藤先生は過去に日本で乳癌に対して行われていたハルステッド法という乳房をバッサリと切り取ってしまう手術に異議を唱え、放射線治療などを組み合わせることで乳房を温存する部分乳房切除術を推進した第一人者で、私も大学入学当時は偉大な先人としてとても尊敬していました。

そんな近藤誠先生ですが、とても残念なことに近年では意図的に嘘をつき、藁にもすがる想いの患者さんを騙す、ただの詐欺師に成り下がってしまったと私は思います。

Monday, August 4, 2014

医者である父のことが大嫌いだったのに、どうして私は医学科に進んだのだろう。

先日、宮崎にある大型リゾート施設「シーガイア」のオーシャンドームの解体が決まったというニュースが流れました。

シーガイアにあるシェラトン・グランデ・オーシャンリゾート。
Attributed to Tremblay.typea, under the license of CC 3.0.

このシーガイアは2000年にサミットが行われたことでも有名で、隣接するオーシャンドームは人工的に創りだされた波でサーフィンを楽しむことも出来るかなり大規模なものでした。

オーシャンドーム。
桃太郎電鉄プレイヤーには宮崎のシードームとしてお馴染み。

さて、どうしてこのニュースに目が止まったのかというと、このシーガイアは私が生まれて初めて家族旅行で行った思い出の地だったからです。

これだけ聞くとなんだか素敵な思い出のように聞こえますが、今でも思い出すと悲しくなる、しかし確かに私が医者を目指すきっかけになった自分の中では大切な出来事でした。

Sunday, November 24, 2013

英語オタクの医学生が教える目標別英語の勉強法

英語ができれば可能性が広がる!!

最近実習先で海外からいらっしゃった先生の前で英語プレゼンをしたり講演を通訳したりする機会に多く恵まれ、それを期に色々な方にどうやって英語を勉強したらいいのか聞かれたので、せっかくですし簡単にまとめておこうと思います。

  1. なんとなく英語をやっておきたい人
  2. まだ先の話だけれど将来きちんと英語が喋れるようになりたい人
  3. あと◯ヶ月でTOEFLで☓☓点取らないといけない人

目標別にどの教材を使ってどのように勉強すればいいのか私見を書きなぐっておきましたので少しでも参考になれば嬉しいです。

私自身は帰国子女でもなんでもありませんが、割と数多くの英語スピーチコンテストでの優勝・入賞経験もありますし、TOEFLもビジネススクールの最高峰ハーバード・ビジネス・スクールの要求点数109を超えるくらいは取れていますので、まあ少なくとも毒にはならない程度のアドバイスはできるのではないかなと思います。

特に留学に行きたいとか思っているわけじゃないけど海外旅行中に困らないくらいの英語力になりたい…そんな人にオススメするのが『速読英単語必修編』『音読』です。

「え、いまさら速読英単語なんかやり直すのか…そんなの大学受験までで十分だよ」とブツブツ言う人もいると思いますが、残念ながら日本には速読英単語レベルの内容ですらきちんと話せる人なんてごくわずかしかいません。

「declare…宣言する、明言する…ブツブツ」

このように単語とその意味を一対一で暗記しただけで勉強した気になっていませんか。

確かに大学入試の時なら下線部に declare と書いてあった時に「declare…あ、そうだ、宣言する、申告する、だ」と思い出せたら得点できたかもしれません。

でも海外旅行先で "Do you have anything to declare?" と聞かれた時に即答できず(declare…??ああ、そうだ、宣言する、申告する、だ)などと考えないと思い出せないようなら、税関の職員は何か怪しいものでも持っているのではないかと疑ってあなたのカバンの中身をひっくり返すことでしょう。

このように「単語を見てその意味を理解できること」と「自分でその単語を運用できること」の間には天と地の差があります。単語は文章から独立した単語帳の形で覚えるのではなく、きちんと文脈の中で覚えるのが一番です。

速読英単語は単語帳としては「終わっている」の一言ですが、音読の練習教材としてはとてもよく出来ていると思います。速読英単語には下の画像のように左に英文、右にその日本語訳が書いてある見開きページが70あるのですが、


  1. まずCDの音声を聞く
  2. 自分で読んでみる
  3. お手本CDと一緒に読んでみる(或いはもう一度自分で読んでみる)

これを1セットとして毎日1セット2ページ分音読して下さい。音読なんてこっ恥ずかしいと思うかもしれませんが、言語の基本は音読です。この勉強法なら1日せいぜい10分あればできますし、音読して自分が話している文章を聞くことでリスニング力も鍛えることが出来ます。

注意しなければいけないのは決して週末にまとめてやろうなどと思わないことです。他のことにも共通して言うことが出来ますが、英語はことさら週末にまとめてたくさんやるよりも毎日少しずつ続けるほうが早く修得することが出来ます。

いくらあなたが忙しい人でも1日10分も捻出できない程忙しいということはないでしょう。まずは1日10分、速読英単語の音読から始めてみましょう。


Sunday, July 28, 2013

Apple製品を200万円分売った私が教える、新しいMacを買った時に必ずやるべき13のステップ

※2014年7月21日アップデートを踏まえて加筆

Apple社からのリクルート、いつでもお待ちしております!!

私が生まれたのは1989年、両親が初めて私に与えたおもちゃは1987年に発売されたMacintosh SEでした。それ以来、Windowsの大流行、Appleの倒産危機、史上最悪とまで言われたG4 Cube with Mac OS 10.0の組み合わせ、それらを耐え抜き今日に至るまでApple社に対する信仰心を細々と貫いて来ました。

そして今やAppleが倒産しかかっていた当時からは想像できないくらいApple製品は身近なものになり、一部のギークのみならずパソコンのことに詳しくない人にも愛されるようになりました。

私も色々な人にぜひApple製品を使ってもらいたいとの思いから友人にApple製品を熱心に布教し、今ではMacBook Pro 5台、MacBook Air 4台、iMac 4台、iPad 9台、iPhone 12台、なんと計200万円以上を売りあげるまでになりました。それだけApple製品が愛されているんですね。

今日はそんな筋金入りのApple信者である私が友人が新しいMacを買った時に必ずやっている13のステップをご紹介したいと思います。

これらを最初にやっていれば今後のMac生活がより快適なものになること間違いなしです!!